総量規制の影響

総量規制施行により表面化した、あるいはこれから表面化する影響について考えましょう。

多重債務者や、破産などの減少を目的とした改正貸金業法。総量規制も、むろんそのための一方策として一般的には“救済”の意味合いで施行された法律です。ところが、むしろ逆効果ではないのか? とすら思える状況が、すでに表面化しています。それらの問題とは、いったいどのようなモノでしょうか。2~3の例をあげましょう。

仮に、すでに借主が年収の3分の1にあたる金額を借りているとしたら? これは企業でいうところの債務超過とほぼ同等の扱い。もうこれ以上、お金を借りることができないのです。年収額の3割以下になるまで地道に返済し、下回ったところで追加融資を受ける以外にありません。その間、どんなに生活が苦しく資金不足だとしてもです。

考えてみればおかしな話です。企業ですら、とくに町工場などの中小あるいは零細企業がそうですが、毎月足りない分の資金を借りて支払いに回し、自転車操業を余儀なくされている。いや、むしろ自転車操業をしているからこそ、経営が可能となっているのが実情なのです。それなのに、企業より以上に金回りのよくない一般庶民には、自転車操業的生活は許されない。総量規制がそのまま全てのローンに適用されていたとしたら、本当にニッチもサッチもいかない状況に陥っていたことでしょう。

もちろん、総量規制は借金の経験がない人に対しても適用されますから、すでに借りる前の段階で年収制限を受けることになります。従来ならそうした厳密な取り決めが存在せず、年収の3分の1超の借入でも可能でした。少なくとも安定企業に勤めるサラリーマンであれば、なんら問題はなかったのです。

専業主婦にしても、夫には内緒で融資を受けるといった行動が不可能に(この点は、喜んでいるダンナ様方もいらっしゃるでしょうか・・・)。夫の収入証明や住民票、融資の同意書などの書類を提出する義務があり、秘密の借入は殆ど無理。専業主婦の場合は自分の収入がないために、夫の収入についてのデータが必要となるのです。

こういった総量規制のマイナス面が浮き彫りになるに連れて、規制対象外となる銀行ローンの存在感やその価値が、対照的に上がってきました。各銀行は、次々と個人向けローンに参入。いまや銀行系ローンは個人対象の融資における花形的存在となっています。この点も、総量規制施行による影響の一部といえるでしょう。

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